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図書実験室見習いメンバーによる本の紹介

図書実験室の見習いメンバーによるブログです。 書評と云うかぼくの好きな本の紹介と云うかそんな感じです。

書評

 

アメリカン・スクール (新潮文庫)

アメリカン・スクール (新潮文庫)

 

 

 前回のブログ記事で告知しました通り、今回は『馬』を取り上げます(前回はこちら

若い読者のための短篇小説案内 - 図書実験室)。 本作品は、『アメリカン・スクール』におさめられています。

  

 村上春樹さんは『若い読者のための短篇小説案内』の中で、『馬』を評して「筋立てのほうは途中から、まるでメロディーが音階を崩していくみたいに」わけがわからなくなる。「読めば読むほど、読者は同じところをぐるぐると堂々めぐりをしているような気もして」厄介な小説である。作者本人にも話の流れが予想出来ないところが、作品を生き生きとさせている、と述べていました。 

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若い読者のための短篇小説案内

書評

 

若い読者のための短編小説案内 (文春文庫)

若い読者のための短編小説案内 (文春文庫)

 

 

  村上春樹。説明不要の作家ですが、好き嫌いが別れる作家でもありますね。

 

 本作は著者がアメリカの大学で講義を受け持ったときの講義録です。日本文学に一定の距離をとっていた著者が「日本の小説の中でいちばん心を惹かれた」と書いている「第三の新人」と呼ばれる作家たちの短篇を創作者としての視点から読み解いています。ちなみに「第三の新人」とは、1953年から1955年にかけて登場した新人作家たちの総称です。彼らは私小説・短篇を主に発表していたのが大きな特徴だとされています。   

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グレート・ギャツビー

書評

 誰かを好きになること。あるひとりの異性(人によっては同性の場合も?)と想いを通じあわせたいと願うこと。恋や愛というものは、誰もが経験する尊い感情であり、人が生きていく上で絶対に欠かせない。歴史をさかのぼり、物語が活字情報として、書籍というかたちで広まり始めたころから現在までを振り返ってみよう。恋愛を題材とした小説、戯曲、詩歌が数えきれないほど沢山あることが分かる。これらは僕たちを大いに楽しませ、自分たちも同じ感情を共有したいという気にさせてくれる。恋愛経験があまりない僕だけれども、この感情ほど荘厳で、生きていることを実感させてくれるものはないと思う。

 

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また、同じ夢を見ていた

書評

 幸せとは何でしょうか。私たちは、分かっているようではっきりと分かっていないのではないでしょうか。同じように、正義や善悪など抽象的なものほど、よく考えるとはっきり説明出来なかったことに気づかされます。そして、考えていく題材を増やしていくにつれ、自分が何も知らなかったことに愕然とさせられるのです(詳細は『プロタゴラス』で取り上げていますので、こちらもどうぞ)。

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こころ

書評
 人間はみんな、極限状態に近づくほど自分のことしか考えられなくなるのだろうか。そうでなくても、欲しい物を誰かと争って手に入れようとするときの必死さは、時に目をそむけたくなる。たった1つしかない物や権利を争う相手が、自分にとって大切な人だったらどうだろう。物や権利によっては、きっと僕はその人達を押しのけて、どんな手段を使ってでも手に入れようとしてしまう。相手に譲るなんてきれいごと、嘘を口になんてできやしない。
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それをお金で買いますか

書評
 わたしたちの周囲では、さまざまな物や機会が取引の対象になっています。本、スマホ、映画館、飲食店、スポーツ観戦のためのチケット、など具体的な例を書きだすとキリがありませんよね。基本売る方と買う方の合意があれば、どんなことでも(犯罪は例外ですよ)取引の材料にしてもいい、というのが経済学だとされています。

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迷宮

書評
 普通に生きる、とはどういうことだろう。日常と非日常の境目はどこで線引きされるのだろう。本物の狂人や、 恐ろしいものとはどういうものなのか。いわゆる普通に生きている、生きることができる人は、これらの疑問を持たないのかもしれない。

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